inSANe「神無月停留所」

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2024/2/21 HO「紅葉並木」を削除しました。


トレーラー
秋の夕暮れ。
一面の紅の中に、ひっそりと佇む停留所。
何があるわけでもなしに訪れた場所へ居合わせたあなたたち。
打ち解けたのか、緩やかに話をしているところへ見知らぬ人物が現れた。

サイクル:3,推奨人数:4,エンディングの自由度が非常に高いシナリオです。GMの難易度も高くなっています。

PC1
夕暮れどきの帰り道、いつも通りの道を辿っていたはずだ。
いつの間にこんなところへ来てしまったのだろう。
時間帯と季節が重なり、一面が紅色で彩られた幻想的な風景が広がっている。……どこか、懐かしい。
何か、大切なことを忘れているような。
あなたの使命は「無事、家に帰ること」である。

PC2
夕暮れどきの帰り道、いつも通りの道を辿っていたはずだ。
いつの間にこんなところへ来てしまったのだろう。
時間帯と季節が重なり、一面が紅色で彩られた幻想的な風景が広がっている。
……どこか、懐かしい。
目の前の人物に見覚えがある。ような。空似? 似ているのは誰、だったか。
あなたの使命は「無事、家に帰ること」である。

PC3
夕暮れどきの帰り道、いつも通りの道を辿っていたはずだ。
いつの間にこんなところへ来てしまったのだろう。
時間帯と季節が重なり、一面が紅色で彩られた幻想的な風景が広がっている。
……どこか、懐かしい。
懐かしくて暖かい。なのに、嫌な予感もする。なぜだかとても恐ろしい。
あなたの使命は「無事、家に帰ること」である。

PC4
あなたは隣町の人間であり、ここにそう詳しいわけではない。
しかし、夕暮れになると鮮やかな景色が広がることを知っている。
懐かしい顔ぶれだが、向こうはあなたのことを覚えていないらしい。
あなたの使命は「彼らに自身を思い出させること」である。

 

以下、秘密など

 

秘密

PC1

ショック:なし
ここを知っているのは確かだ。
しかしいつ見たのか、なぜ知っているのか、何も覚えていない。
あなたの本当の使命は「ここがどこか思い出すこと」である。

※HO【券売機】を抜いた次サイクル開始時に思い出して達成です

 

PC2

ショック:なし
あなたはPC4に既視感がある。それは過去に失った親しい友人(裁量で自由決定)だ。死んだはずだが、他人の空似か、それとも……?馬鹿な考えはよそう。
あなたの本当の使命は「PC4は何者か突き止めること」である

※PC4と友人が別人であると気がつき、PC4の秘密を抜けばHO【丘】を抜かずとも達成です。PLさんの慣れ具合によっては「PC4の名前に聞き覚えがある」など入れても。

 

PC3

ショック:なし
あなたは鋭い勘の持ち主だ。その勘が、直感が、ここにいてはいけないのではないかと告げる。恐ろしい。ここに自分のような存在が……。所詮勘だ。気にしすぎるのは良くない。けれど。
本当の使命は変化なし、「無事、家に帰ること」である。

 

PC4
ショック:全員
あなたは生者ではない。何ものにもなり損なった死者だ。

いつからか、ここの時間は神の居なくなった10月で止まっている。
ここから出ることはできないあなたの元に現れた人間たち。

彼らのことなど知らないが、彼らがここに残ってくれたら、
あなたの本当の使命は「彼らをここに留めること」である。(あなたは他PCと面識はありません。知っているのは名前のみです)

 

《導入》
10月のある日の夕刻。
家へ帰宅しようとしていたはずだが、何故だか気がつくと知らない場所にいた逢魔人たち。
目印になりそうなバス停には「神無月停留所」
バス停のもとに集まったあなたたちは時刻を確認し、バスを待つことにした。
(PC4は好きなタイミングで)

必ず全員名乗ってください(PC2のため)。
そうこうしているうちに時は流れてゆきますが、待てども待てどもバスは訪れません。
次のバスが来るはずの時刻をとうに過ぎても、訪れる気配すらありません。
バスは来ると記されていますし、今も運航している路線です。
不信を抱き始めたところで開始しましょう。
開始時点で調べられるのは【停留所】【丘】【鳥居】です。

【停留所】
赤々とした、紅葉の散る小さなバスの停留所。所々に傷が見受けられる。
ショック:なし
物陰に落ちていた荷物と、傷のひとつに「迎えは来ない」という言葉を見つける。

HO「券売機」公開
HO「誰かの荷物」公開

 

【券売機】拡散

随分と古びた券売機だ。動くのだろうか?

ショック:なし

券売機から読めない文字の印刷された券が2枚、発券される。

プライズ「券」を獲得。

次サイクル開始時にマスターシーン。

一枚がPC1の「大切なもの」へ変化(記憶なら消えて取り戻す)。

もう一枚が黒いシンプルなショルダーバッグへ変化。
ショルダーバッグを中を探ると手帳とハンカチ、指輪が出てくる。
手帳「霊園、名前 停留所 神社、ノート?」
指輪
小さな箱に入った指輪。婚約指輪だと推測できる。
PC2が所持している、或いは秘密を共有した場合
あなたはその持ち主と知り合いであり、「夕焼けの街の夢で鞄を紛失した」「大切な指輪もなくしてしまった」などと述べていたことを思い出す。そして話に聞いていたその夢と同じ状況だということに気がつく。
「夢」で恐怖判定。

神社があってだとか、紅葉と夕焼けが綺麗だったとか、それから「霊園に自分の名前が書いてあった」なども思い出せるでしょうが、あまり思い出せません。なんせ、夢ですから。

PC4が所持している、或いは秘密を共有している場合

霊園は丘を指していること、神社は鳥居の向こうにある神社を指していること、ノートは中にある資料のことだと予想できます。名前については不明です。

【丘】秘匿
神社の反対側に見える、小高い丘
ショック:全員
数多くの墓がある。霊園のようだ。紅葉の影に隠れて、やけに新しい墓が3つある。覗くとそこには自分たちの名前が刻まれていた。
「死」で恐怖判定
ゾーキング:土台のみの墓がある(バッグの持ち主の墓、帰ったためななし)。見つけた墓は古い方からPC3、PC4、PC1と2。

PC2のみ

音は同じですが漢字は別ということで、PC2から見るPC4は同姓同名の別人であることがわかります。使命達成。
PC3の書き換え発生
ショックなし→あり
「あなたは事故で救急搬送された人間だ。
もしかすると死んでしまったのかもしれない。
このままでは消えてしまうことだろう。
あなたの本当の使命は“生き返る”ことだ。」

PC4

自分は自身の姿を忘れており、いつかここへ訪れ、出会ったある人物の姿と聞いた名前を借りているに過ぎないことを思い出しました。秘密へ「追記」です。

追記状態でPC3が秘密を抜いてもPC3の使命は達成となります。

【鳥居】拡散
少し歩いたところには、色褪せた鳥居と長い石階段が見える。先にあるのは神社だろうか?
ショック:なし
鳥居に反して、神社が比較的新しいような。
形跡はないが、最近建て直しでも行われたのだろうか。
奥に複数の資料がある場を発見する。
HO「緑の冊子」
HO「青い冊子」
HO「赤い冊子」
公開。
赤いものはやや古びているように感じたが、どの冊子も新しい。

【緑の冊子】秘匿
ショック:PC1-3
日誌のように何が行われたのかが記されている。

神社の記録のようだ。
所々に行事ごとだろうか?一時期から増えている。
——“1762年10月16日築”
——“1861年10月29日改修・増築”
以降、改修などの記録はどこにも見当たらない。
これが正しいとすれば、なぜここはこんなにも新しいのだろうか。
それどころか途中で記録が途絶えている。
まるで時が止まっているかのような。
「時間」で恐怖判定。

【青の冊子】秘匿
ショック:全員

行われた行事についての日誌。非常に細かく記されている。
最後のページにPC1の名を見つける。
プライズ「帰り方の記録」
秘密:PC1の名前を記したものと同じ筆跡でメモが記されている。

PC1は自身の筆跡であることに気がつける。

「ここから帰る方法は単純明快。何か一つ、大切なものを停留所へ置いていけばいい。あそこは“道”だから」
PC1、4が見た場合、書き換え発生
PC1
「あなたは以前もここへ来た。
これはその時のメモだ。
その時もPC4と出会い、助けて貰った。
帰り方も知っている。
しかしPC4は呪いでここから出られないのだと言う。
ひとり残して行った罪悪感が、どこかにあるかもしれない。
あなたの使命はPC4と共にここに残ることだ」
PC4
「思い出した。PC1は以前にもここへ来た。
その時は手助けしてやったのだ。
自分と同じ呪いを受けないように、2度と迷わないように忠告もした。
しかし、どうして再びここへ迷ったのだろう。
あなたの使命はPCたちを無事返すことだ」

※「大切なもの」が券売機に取り込まれることを、PC4は知りません。置いた物から目を離した隙に消えて(取り込まれて)しまいます。


【赤の冊子】拡散
ショック:なし
除霊、浄霊。
異界を行き来する。
魂を特定の場所に引き止める。
あらゆる呪いを解く。
死者を蘇らせる。
様々な儀式について記されている。しかし、肝心の実行方法が記されていない。

もしここを異界とするなら、「異界を行き来する」儀式を実行できれば帰ることが可能かもしれない。
HO「儀式所」公開

PC1(書き換え済)には「魂を特定の場所に引き留める」の使用でここに留まることが可能(使命達成)だと告げます。

PC3(書き換え済)には「死者を蘇らせる」の実行で使命達成可能だと告げます。

PC4(書き換え未)には「魂を特定の場所に引き留める」の実行をすれば使命達成の旨を告げます。

因みに、PC4をここから解くには「あらゆる呪いを解く」儀式の実行が必要です。


【儀式所】秘匿
恐らくここが一番清潔に保たれているのであろう。
ショック:なし
清潔でありながら嫌悪感を覚える空気だ。一刻も早く立ち去りたいと感じるかもしれない。1枚の札を探り当てる。
公開プライズ「札」を入手。

「魔術」判定成功で秘密獲得。
秘密:ひとつだけ「赤の冊子」の儀式を自動成功させることができる。



【空】秘匿
ショック:全員
雲ひとつない暖色の空。とあることに気がついた。“太陽”がない。ここへ来るときは、たしかにあったはずなのに。
「情景」で恐怖判定。

 

 

《最後》

【マスターシーン】
懐かしく、穏やかな空気に満ちている。
しかし、なぜだろう。ここへ訪れた時よりも「帰りたい」という想いが強まっていた。

この場に留まり続けては、消えてしまうのではないか?

そんな考えが掠める。ここにいては──

「どコ、イくノ?」

咄嗟に振り向いた先には、黒い、黒い、かろうじて人の形を保っているかのような「何か」がいた。

 

戦闘を挟みます。

エネミーデータは「怨霊」ベース

・PCの勝利

戦闘をするか続行するか否か、札と赤い箱を使うか、使うなら何に使うか、そして停留所から帰る場合は置いていくものは何かを尋ねてください。

・PCの敗北

全員「何か」に飲まれてゆきます。PC4だけは生き残ることも可能ですが、生き残ったところで札は使うことができませんのでそこはご注意ください。ここに遺されるのみとなります。

 

ここが終わったら自由にエンディングを描いてください(最後に参考ありですが無視しても)


シーン表
まっすぐに伸びる黒い影。じっと見ていると、薄気味悪さを感じた。
紅葉が1枚、足元に落ちてきた。そういえば、ここまで紅一色なのに、道にはあまり葉が落ちていない。
いやに長い夕方が続いている。陽は沈まないのだろうか。HO「空」公開
茜色の空に、白く薄い月が浮かんで見える。
雨の匂いも何もしないのに、雨が降り出した
どこまでも続く紅色に眩暈がした。
自分たちの音しか聞こえない。ただ静けさが広がっている。
生き物の気配がしないというのは、存外不気味なものだ。
一面に広がる緋色の中では停留所と丘が特異に見えた。
ほんの一瞬、ずっとここにいたいという気持ちが脳裏を掠めた。

 

 

マスターシーン

【2サイクル終了時】

登場:全員,条件:丘のHOが抜かれている

嫌な肌寒さを感じた。季節の変わり目なのだから仕方ないだろうと、何気なく、先ほどの霊園に目を向ける。

……あれは、何だ?

黒く霊園を覆うようなもや。あんなものはかかっていなかったはずだ。

そして、もやが、霧が、ゆっくりとこちらへ降りてきているような──

ない。先ほどのもやはどこだ?

我に返り再び目を凝らすも、もうどこにもそれは見えなかった。

見間違い、だったのだろうか。

「暗黒」で恐怖判定。

 


・背景
ここは黄泉と現実の境です。原因は神の居ない神無月に神主が魔術に手を出し、空間そのものが異界になってしまったせい。今までも魔術を行なっていましたが、蓄積されてきた歪みなどが積もり積もって大きな魔術を引き起こしました。
PC4はそのとき神社におり、偶然巻き込まれた被害者です。神主も関係者も逃げ果せた中、唯一残ってしまったので主のようになりました。本人に自分がこの空間の主だということを知る術はありません。

空間の主であるPC4には他PCたちの名前が早々と伝わります。実際に会ったことがあるのはPC1のみです。他のPCたちが「PC4に見覚えはあるか」と尋ねてきた場合は曖昧に答えた方が良いでしょう。「懐かしい」という感覚に侵されて曖昧になっています。
死者が神社を出入りできるのは神無月のままだったから、そしてとうの昔に役割を果たしていなかったからです。神社に関しての最終記録はPC4に合わせてください。
・墓の古さ

死者は古く、生者は新しくなります。PC4は死者ですが、呪われているため中間に留められています。

・「道」の記述
「道」は「道」。あの世、この世、この世界を繋ぐ「道」です。時の止まった他とは違い、現実の時間が流れているから、停留所と神社の鳥居はぼろぼろです。時間が流れているのは「道」になる停留所と鳥居だけです。共通点は「バスの通る道に面し、接していること」。ここのみ時間が流れています。
そのため停留所に大切なものを置いていく必要があります。記憶でも、感情でも、何でも大丈夫です。大切なものを置いて行くのは「バスの運賃」。異界から、こちらまでを行き来するために必要なものです。券売機はその運賃を貯めておく場です。古びて壊れかけのため出てきたのでしょう。

 

・神社について

信仰している神はどんな神でも無問題です。調べれば資料も出てくるでしょうが、今回のシナリオには無関係なので記していません。強いて言うなら「呪い事を退ける神」として祀られていました。それがいなくなった時に魔術が成功、暴走してしまったため、こうなりました。

家神などはおりません。ここは団地からも駅からも離れた田舎町の奥なので。

・エネミー

ここに迷い込んだまま帰れなかった人物の成れの果て、過去の魔術行使などで溜まったもの、そういった「穢れの集合体」です。この空間の汚点とも呼べるでしょう。意思はありません。強いていうならばPCらを引きずり込み、取り込むことが目的です。

 

 

・札

札で異界を繋いで帰ることを選んだ場合、大切なものを置いていく必要はありません。

なお、これは「そこにいる人物のエネルギーを勝手に受けることで」行使可能なもののため、ひとりだけが生存可能な敗北エンドでは使用できません。しかし行使者の願いを叶えるものであり、その場にいる全員の同意は不要です。

 

 

選択

・残る場合

 歳を重ねることなく、留まり続けます。ただし「魂を定着させる」を使わなければそのうち消えてしまいます。

・帰る場合

 何事もなかったかのように日常へ帰還します。戻る場所は異界へ迷い込む前と同じ場所、同じ時間です。

 停留所から帰る場合はバスという迎えが来ますが、プライズを使用した場合は唐突に帰還させられます。このときにバスから降りると再び迷い人が訪れるまで帰還の機会はありません。しかしその前に消えてしまうでしょう。

・PC3の使命が変更されないまま帰還

 無事、命が危ぶまれたところで生き返ります。HOの時点では死が確定していません。「自分は死んだのだ」と思うことで確定します。

・PC3の使命が変更され、生き返ることができなかった

 消失します。成仏などではありません。

・PC4が呪いを解いて生き返る

 自分ではない「誰か」として生きることになります。

・PC4の呪いだけを解く

 生き返ることはありません。解放され、天に昇ることでしょう。

 

魔術について

「除霊、浄霊」をPCに→無事転生可能ですが「除霊」の場合は消失です
「世界を異界と繋ぐ」ペナルティなしで帰還可能(帰還場所不明)
「異界を行き来する」上に同じだが場所指定が可能
「魂を特定の場所に引き止める」PC4がここへ全員を引き留める際、PC1が留まる際に使用すると良いでしょう
「呪いを解く」PC4の呪いを解くことが可能です